研究成果の概要 |
対象となった例は689例で, 年齢は中央値11.3歳であった. 総合的身体測定結果より, 正常, 肥満, 隠れ肥満はそれぞれ587例, 72例, 30例であった. 隠れ肥満は全体の4.4%を占めた. 尿酸, 中性脂肪, 高密度リポ蛋白コレステロール, 非高密度リポ蛋白コレステロール, インスリン抵抗性, 高感度C反応蛋白, 左心室心筋重量係数, 頸動脈内膜中膜複合体厚は3群間で有意差を示し, 尿酸と左室心筋重量係数は隠れ肥満例が正常例及び肥満例よりも高値を示した. 本研究では, 小児隠れ肥満例は正常体格例と肥満例と比較して心血管系及び代謝系障害の指標に異常を認める可能性があることが示された.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今後の研究の推進方策としては, 小児隠れ肥満例で認められた代謝系障害及び心障害が, 以後の青年期にどの様な変化を示すかを検討する. 本研究により「隠れ肥満」が心血管系及び代謝系障害に関連することが判明すれば, 検診体制の変更,「隠れ肥満」例の健康面に関する認識の啓発, 更には食事・運動・薬物療法への発展が期待される.
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