研究課題
基盤研究(C)
拡張型心筋症の中でも、タイチン(TTN), ラミンA/C (LAMN A/C)が世界的にも患者数が多く、国内でも多数の心筋症患者が同定されている。病的変異を有する心筋は収縮力が低下し、不整脈を起こしやすい状態にある。遺伝子編集によって、異常心筋の収縮力や催不整脈性を改善することができれば、多くの患者の新規治療を届けるための礎を築くことができる。現段階では治療法が確立されていない疾患であっても、既存の薬物治療ではなく、新たな治療戦略を提唱することで社会的にも貢献する。さらには心疾患だけではなく多くの遺伝子疾患の治療への発展が今後期待される。
本研究では、非コーディングRNAでもまだ機能が十分に解明されていない 環状RNAに着目している。かつては意味のない配列と考えられていた非コーディングRNAであるが、今までは転写制御に関する重要な機能を持つことがわかってきている。今までにも、心臓発生では心筋特異的microRNA配列の解析が進んでおり、心臓で高発現するmicroRNAの特異的欠損マウスでは、心臓に重大な欠陥を呈することがわかってきている。また、ES細胞を用いた研究でも、心筋分化をmicroRNAが効率上昇に寄与することがわかってきている。心筋特異的な環状RNAの作用機序に関する具体的な報告は少なく、クロマチン修飾によってエピジェネティックな転写制御を心臓発生、心筋分化過程で解明することを目標としている。心筋分化誘導の最終的な応用は再生医学という実臨床へ結び付けることを目的としている。現在、iPS細胞の心筋分化誘導が確立され、より効果的な心筋分化誘導を開発することが将来の心筋再生医療への大きな発展となる。環状RNAは、直鎖状RNAとは異なり、共有的に閉じた連続ループを形成し、真核生物のトランスクリプトームにおいて高度に表される新規な種類のRNAである。最近の研究により、哺乳動物細胞中に数千の内在性circRNAが発見された。 CircRNAはエクソンまたはイントロン配列から大部分生成され、そして逆相補配列またはRNA結合タンパク質(RBP)がcircRNA生合成には必要である。 circRNAの大部分は種を超えて保存されており、RNase Rに対して安定で耐性があり、そしてしばしば組織/発生段階特異的な発現を示します。最近の研究では、circRNAがmicroRNA(miRNA)スポンジ、スプライシングと転写の調節因子、そして親遺伝子発現の修飾因子として機能できることが明らかにされている。
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すべて 雑誌論文 (11件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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