研究課題
基盤研究(C)
2017年われわれはIgM陽性形質細胞が多く浸潤している尿細管間質性腎炎 (IgMPC-TIN) の臨床・病理学的特徴をJ Am Soc Nephrol誌に報告した。その臨床的特徴は、100%に遠位型尿細管性アシドーシス、92%に尿糖 (Fanconi症候群)、82%に抗ミトコンドリア抗体陽性、46%に原発性胆汁性胆管炎の合併があった。また、組織学的特徴は、IgMPCの間質への著明な浸潤像と近位尿細管や集合管におけるCD3陽性Tリンパ球による尿細管炎であった。現在、IgMPC-TIN診断基準の確立を目指し、新たに20施設以上が参加する多施設共同研究をスタートさせ、データを解析している。
本研究成果として、IgM陽性形質細胞が腎臓に多く存在している腎炎 (IgMPC-TIN) を発見し、この病気の症状や顕微鏡所見の特徴を明らかにし、我が国から先行して世界に報告することができた。これは学術的に非常に意義の高いことである。また、この病気は全国では腎生検の0.06%と頻度は多くないが、われわれの施設では0.7%と10倍以上の頻度で認めており、原因不明の腎炎として見逃されてきた可能性が高い。これまで原因不明とされていた病気が新たに見いだされ、その病気の病態解明が進めば、次のステップとして副作用の少ない新しい治療の開発の道が開けるため、社会的意義も高いと考えられる。
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