研究課題
基盤研究(C)
神経変性疾患における大脳神経可塑性変化と症状との対応を試みた。まず、パーキンソン病で4連発磁気刺激法による運動野神経可塑性誘導を検討したところ、レボドパオフでは誘導不良でオンでは正常化することが示された。これは単にレボドパの神経可塑性に対する薬理効果を示しただけではなく、神経可塑性の誘導の程度がパーキンソン症状の程度と逆相関していることが示され臨床的意味があることが示唆された。さらに、進行性核上性麻痺でも神経可塑性誘導の減弱がみられることを見出した。パーキンソン症状の発症機序に、運動野神経可塑性が関与していることを示すとともに、今後早期診断にも役立てるために有意義な結果であった。
神経変性疾患の症状には発症機序がまだ不明なものが多い。非侵襲的脳刺激を用いてヒトの大脳皮質においても誘導できるようになった神経可塑性が、神経変性疾患で誘導が障害されており、パーキンソン病の症状とも関連があることが示されたことにより、症状の発症機序の解明につなげることができると考えられる。また、症状を客観的に捉えるバイオマーカーや、鑑別診断のためのバイオマーカーとして役立てられる可能性が示唆される。
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すべて 雑誌論文 (13件) (うち国際共著 2件、 査読あり 13件、 オープンアクセス 5件、 謝辞記載あり 1件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 11件、 招待講演 8件)
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