研究課題/領域番号 |
17K09832
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
代謝学
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
野村 和弘 神戸大学, 医学部附属病院, 特定助教 (70450236)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 骨格筋 / 運動 / 肥満 / エネルギー代謝 / アドレナリンシグナル / エネルギー消費 / アドレナリン / 糖尿病 |
研究成果の概要 |
我々はこれまでに、骨格筋のβ2アドレナリンシグナルが骨格筋のエネルギー代謝に重要な役割を担うことを明らかにしている。本研究から、肥満の骨格筋ではβ2アドレナリンシグナルの減弱を認め、「アドレナリン抵抗性」というべき状態が生じ、肥満を増悪させることを明らかにした。肥満において骨格筋のβ2アドレナリン受容体遺伝子プロモーター領域では、DNAが高メチル化状態にあり、β2アドレナリン受容体遺伝子の発現低下を介して、「アドレナリン抵抗性」の原因となる可能性が考えられた。骨格筋のアドレナリンシグナルは、体重や骨格筋量の制御に重要な役割を担い、これらのシグナルの減弱が肥満病態形成に関与すると考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肥満者ではエネルギー消費の減弱により、「より肥満しやすい状況」に陥るという悪循環を発症することが知られていたが、この分子機構は十分に明らかではなかった。今回見出した「肥満によって生じる骨格筋のアドレナリン抵抗性」という現象は、このような「肥満における悪循環」の形成メカニズムの一旦を担う可能性がある。本研究により、骨格筋のアドレナリンシグナルが全身の代謝制御に及ぼす影響とともに、骨格筋のアドレナリン抵抗性の病理的意義と発症機構が明らかとなれば、個体の代謝制御に関するより深い理解が得られるだけでなく、肥満を始めとした種々の代謝疾患に対する新規な治療法の開発に繋がる可能性もあり、その意義は大きい。
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