研究課題
基盤研究(C)
肥満や糖尿病を背景とした近位尿細管細胞障害の機序のひとつとして、飽和脂肪酸による脂肪毒性や小胞体ストレスの亢進がリソソーム膜を不安定化し、リソソーム膜透過性亢進によるカテプシンBの細胞質への放出により、NLRP3インフラマソームが活性化され細胞死に至ることを示した。また、我々が発見したアディポカインであるバスピンは、これらの経路を抑制して、近位尿細管細胞保護作用を示すことを明らかにした。また、バスピンは近位尿細管細胞においてGRP78, HSPA1Lと結合して細胞内に取り込まれることや、アルブミンによりHSPA1Lの細胞外分泌が増加することなど新たな知見を得た。
肥満や糖尿病を背景とした腎障害が増加しているが、予防や治療法の確立はまだ十分とは言えない。そこで、腎予後に強く影響する尿細管間質障害に着目した肥満や糖尿病では、近位尿細管細胞において、細胞内小器官のストレス応答が代償的に亢進しているが、細胞ストレスが過剰であったり、遷延すると非代償的となり細胞死に至る。本研究では、内臓脂肪から分泌される生理活性物質であるバスピンが、近位尿細管細胞の細胞内小器官のストレス応答不全を軽減し、細胞保護的に作用することが明らかにした。
すべて 2020 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 3件、 査読あり 5件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (13件) (うち国際学会 4件、 招待講演 1件) 図書 (1件)
Diabetol Int.
巻: 11(2) 号: 2 ページ: 97-104
10.1007/s13340-019-00408-7
120006884491
J Clin Lipidol
巻: 13 号: 1 ページ: 62-69
10.1016/j.jacl.2018.10.004
Diabetes Care.
巻: 41 号: 8 ページ: 1765-1775
10.2337/dc18-0030
J Med Case Rep.
巻: 12 号: 1 ページ: 368-368
10.1186/s13256-018-1901-y
臨床検査
巻: 62 ページ: 72-77
Hepatol Int
巻: 11 号: 1 ページ: 115-124
10.1007/s12072-016-9773-y