研究課題
基盤研究(C)
多発性内分泌腫瘍症1型(MEN1型)の原因遺伝子MEN1は癌抑制遺伝子と考えられているが、非内分泌組織におけるMEN1の翻訳産物meninの機能は十分に解明されていない。今回、骨格筋におけるmeninの機能を解析した。Men1ヘテロ欠損マウスの骨格筋を用いたcDNAマイクロアレイ解析では、野生型に比べ糖代謝関連遺伝子群の変動が大きかった。またC2C12筋芽細胞株が骨格筋に分化する過程でmenin発現量が変動することを確認した。インスリン投与後にマウス骨格筋を単離し、抽出した蛋白を用いてのウェスタン解析では、meninの欠失が糖代謝関連の複数の蛋白の発現量に影響を与えていることが判明した。
MEN1遺伝子および翻訳産物meninの機能として、これまで膵臓のインスリン分泌能獲得や肝臓での糖新生における役割についていくつかの報告があるが、今回の研究成果によって、骨格筋におけるmenin発現のhaploinsufficiencyが筋肉での糖代謝機構に直接的な影響を与えていることが初めて明らかとなった。内分泌腺腫瘍化における癌抑制蛋白としての機能以外に、膵内分泌細胞、肝臓、骨格筋という糖代謝ネットワークにおいてmeninが重要な役割を演じていることが判明し、今後研究を発展させることでmeninが糖尿病の病態を考察する上での新しい観点や、創薬のターゲットとなる可能性が示された。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (9件) (うち招待講演 3件)
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