研究課題
基盤研究(C)
アナグレリドがPOEMS症候群のVEGFを抑制するという報告があるため巨核球細胞株のimMKCLとアナグレリドの関係を中心に検討を行った。アナグレリドによる血小板産生抑制および巨核球の成熟抑制作用を再現することに成功した。その後、アポトーシスの有無、細胞周期の解析やRNA sequenceを行い、巨核球のapoptosisは誘導せずに細胞周期を制御していること、また、複数の遺伝子の発現を制御して血小板産生を抑制していることを明らかにすることが出来た。POEMS症候群に関連した遺伝子の一つであるVEGFの発現に関してはアナグレリドの投与前後で変化を認めなかった。
iPS細胞由来巨核球細胞を用いて、作用機序の明らかでなかったアナグレリドの作用機序の一端を明らかにすることが出来た。これは将来、本態性血小板血症の治療薬の開発につながっていく可能性がある。また、本研究により、これまで単離が困難で研究が進みにくかった巨核球に関する研究を行う際にiPS細胞由来巨核球細胞を用いることで、より詳細な解析が行えることを明らかにすることが出来た。今後、巨核球が病態に関与していることが想定されているPOEMS症候群を始めとする疾患の研究に寄与することが出来るものと考えられる。
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Haematologica.
巻: Sep 5 号: 5 ページ: 00-00
10.3324/haematol.2018.214841