研究課題
基盤研究(C)
日本人集団において、MPO-ANCA陽性血管炎をはじめとする複数の自己免疫疾患の疾患抵抗性に関連するHLA-DRB1*13:02、疾患感受性に関連するHLA-DRB1*09:01-DQB1*03:03ハプロタイプについて、これらと連鎖不平衡にあるHLA-class II領域上の病因的バリアントを探索した。疾患抵抗性についてはHLA-DRB1*13:02自体の重要性が、疾患感受性については、HLA-DRA上流の遺伝子間領域に位置し、HLA-DQA1およびDQB1 の発現に関連するバリアントがHLA-DRB1*09:01-DQB1*03:03ハプロタイプと独立の寄与を有することが明らかになった。
HLAは多くの免疫関連疾患において重要な疾患感受性あるいは抵抗性遺伝子であるが、広範囲にわたる連鎖不平衡のために、病因的意義を有するバリアントが特定されておらず、分子機構は未解明である。本研究では、日本人集団においてANCA関連血管炎をはじめとする複数の免疫疾患の疾患抵抗性、疾患感受性にそれぞれ関連するHLA-DRB1*13:02、DRB1*09:01-DQB1*03:03ハプロタイプにおいて、病因的であるバリアントを探索した。これは、学術的にはHLAと疾患の関連の分子機構の解明に、社会的には日本人集団において有用性の高い複数の免疫疾患に対する創薬の分子標的の同定につながる知見と考えられる。
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