研究課題
基盤研究(C)
13価肺炎球菌結合型ワクチン(PCV13)普及後、乳児の肺炎球菌保菌率はワクチン導入前と比較し差は認めなかったが、全て非PCV13含有血清型に変化していた。また、肺炎球菌無莢膜株の保菌率の増加を認めた。PCV13導入後、血清型12Fの侵襲性感染症が増加したが、相同性の高い株であった。PCV13未接種の基礎疾患を有する小児のPCV13血清型特異抗体価は健常児に比べて相対的に低く、PCV13接種の必要性が示唆された。PCV13既接種者の非PCV13含有血清型肺炎球菌に対する免疫応答は様々であり、PCV13接種により非PCV13血清型の免疫応答に影響が出るかどうかは明らかにならなかった。
PCV13定期接種化後、PCV13含有血清型の侵襲性肺炎球菌感染症の激減と同時に、PCV13既接種乳児の鼻腔内肺炎球菌分離率は変わらないが、全てPCV13非含有血清型に変化していたことを証明したことは、PCV13定期接種化の効果とワクチン接種を継続する意義を明確にした。一方、同一性の高い血清型12Fや無莢膜株の顕在化は、継続した肺炎球菌サーベイランスの重要性を示唆するものであった。本研究により基礎疾患を有する小児では、PCV13型肺炎球菌に対する免疫原性が低いことが明らかとなり、本邦においても肺炎球菌感染症ハイリスク小児に対してPCV13を積極的に勧奨すべき重要なデータと考えられた。
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