研究課題
基盤研究(C)
食細胞からの活性酸素(ROS)の低下にて易感染性のみならず、肉芽腫や腸炎を合併する慢性肉芽腫症(CGD)ではROS産生のない食細胞が異常な免疫をきたすことが予想された。そこでROS産生に起因する食細胞での炎症関連の発現の違いを検討したが、今回検討では明らかな違いはみいだせなかった。また食細胞の一種である好中球の成熟障害を来す疾患での検討では、成熟障害を来すクローンは正常の好中球分化に影響を与えなかった。一方、特殊腸炎疾患の検討では肉芽腫を伴う腸炎に獲得免疫異常の関与が確認された。以上からCGDにおいても獲得免疫に異常が病態に関与する可能性が推察され、重要な知見が得られた。
慢性肉芽腫症(CGD)は食細胞の機能異常のため易感染性を示すことから、CGDでみられる肉芽腫や肉芽腫を伴う腸炎の病態にも食細胞が強く関わっているとされてきた。今回の研究からCGDの肉芽腫形成に、食細胞以外の獲得免疫の異常が関与することが示唆された。そのことは肉芽腫を基本病態とするクローン病、サルコイドーシス、肉芽腫性血管炎、また単一遺伝子疾患である若年性サルコイドーシスなどに対しても重要な知見であり、それらの肉芽腫疾患に対しても大きな福音と成り得る。
すべて 2021 2020 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
Journal of Investigational Allergology and Clinical Immunology
巻: 31 号: 1 ページ: 69-71
10.18176/jiaci.0523
Int J Hematol
巻: 111 号: 5 ページ: 702-710
10.1007/s12185-020-02826-9
小児科
巻: 60 ページ: 1268-1272
J Clin Immunol.
巻: 39(1) 号: 1 ページ: 106-111
10.1007/s10875-018-0580-1
The Brazilian Journal of Infectious Diseases
巻: 22 号: 1 ページ: 60-62
10.1016/j.bjid.2017.10.008
Journal of Pediatric Hematology/Oncology
巻: 39 号: 8 ページ: e470-e472
10.1097/mph.0000000000000892
小児科診療
巻: 80 ページ: 1211-1216