研究課題
基盤研究(C)
本研究では予後不良であるFLT3変異陽性急性白血病の薬剤耐性を克服することを目的に、薬剤耐性に至る分子機構を解析することを通して、新しい治療標的分子を同定した。この研究では網羅的スクリーニングを通して、ケモカインCxcl12がFLT3変異陽性急性白血病の薬剤耐性を変化させる分子候補としてRunx1という転写因子を同定した。そして、その発現変化が薬剤耐性に機能的に関わることを見出した。本研究の結果、薬剤耐性を引き起こすRunx1分子を新しい治療標的とすることが予後不良なFLT3変異陽性急性白血病の薬剤耐性を克服し、更には患者さんの予後を改善することに結びつくことが見出された。
急性骨髄性白血病の予後は芳しくない。特にFLT3変異陽性のケースは予後が悪い。近年、FLT3変異に対する抑制剤(FLT3抑制剤)が承認され使用されているが、大部分は治療抵抗性となる。治療抵抗性の分子メカニズムは様々なものが知られているが、この研究ではFLT3抑制剤の治療抵抗性のメカニズムを新たに見出した。すなわち、治療抵抗性を克服しうる新たな治療標的が同定できた。この研究をさらに発展させることでFLT3抑制剤の治療効果が改善し、患者の予後改善に結びつく可能性がある点で意義のある研究である。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (2件) (うち国際共著 2件、 査読あり 2件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件、 招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (3件)
Cell
巻: 172 ページ: 191-204
Stem Cells
巻: 36 号: 1 ページ: 123-129
10.1002/stem.2727
https://ped-shimane-u.jp/study/hematological_malignancy
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