研究課題
基盤研究(C)
本研究は急性リンパ性白血病の小児において、治療毒性と関連する遺伝子多型を検討した。大量メソトレキサート(MTX)療法における有害事象についてSLCO1B1、SLC19A1、ABCB1、ABCC2、ABCG2、MTHFRの遺伝子多型を検索したところ、MTHFR多型とMTXのクリアランスとの間に相関がみられた(n=79)。6-メルカプトプリンの血液毒性では、白人で意味のあるTPMT多型は有意でなく、NUDT15多型は有意であった(n=239, p=8 x 10e-6)。また別コホートでも検討したが、NUDT15以外に有意な多型はなかった(n=55)。人種による差異が大きいことが明らかになった。
急性リンパ性白血病(ALL)は最も頻度の高い小児がんである。ALLの治療成績の改善はめざましく、約80%に長期生存が期待できるが、化学療法に伴う治療毒性は大きな問題である。近年のゲノム薬理学の進歩により、治療毒性に関わる遺伝子変異が同定されてきたが、人種による差異が大きい。本研究の結果、MTHFR遺伝子多型とメソトレキサートのクリアランスとの間に相関がみられた。また6-メルカプトプリンの血液毒性では、白人で意味のあるTPMT多型は有意でなく、NUDT15多型は有意であった。薬剤による有害事象は人種差が大きいため、日本人を対象にした遺伝子多型の検討は重要である。
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