研究課題
基盤研究(C)
本研究は,新生児Dubin-Johnson症候群とRotor症候群を次世代高速シークエンサーを用い分子遺伝学的に診断する事と,分子診断された疾患の遺伝型と表現型の関係を明らかにする.目的遺伝子を含む新生児胆汁うっ滞疾患と関係のある遺伝子61個を搭載した遺伝子パネルを作成した.研究期間で124例について解析を行い,40例(32%)で分子遺伝学的診断ができた.私たちの先行研究は26%の診断率であったことから,本研究により改善を認めた.新生児DJ症候群は9例(23%)で確認された.Rotor症候群は認めなかった.新生児DJ症候群患児の特徴的な臨床経過,肝臓病理所見,病原性変異をまとめて論文報告した.
新生児Dubin-Johnson症候群やRotor症候群はかつて非常に稀な疾患とされ,その疾患の詳細は不明であった.近年,次世代高速シークエンサーの登場により,このような稀な遺伝性疾患を分子レベルで診断できるようになった.今回の研究により,日本人,東アジア人に於いて,遺伝子診断できる新生児Dubin-Johnson症候群患者は比較的高い頻度で見られることが分かった.そして,新生児,乳児期に特徴的な症状経過をたどること,肝臓病理学所見は成人のものと異なることが証明された.一方Rotor症候群は発見されず,極めて稀な疾患であることが再認識された.
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件)
EBioMedicine
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小児内科
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日本小児栄養消化器肝臓学会雑誌
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巻: - ページ: 161-167
10.1016/j.jpeds.2017.12.058