研究課題
基盤研究(C)
まず、ラットのオペラント行動の習慣化を目的とした訓練継続中の最初期遺伝子の発現変化が、線条体全域で主にドパミンD1受容体陽性中型有棘細胞で起きていることを確認した。続いて、ラットのオペラント行動が習慣化しにくいことで知られるfixed interval scheduleにて注意負荷を軽減したところ、習慣化の促進が確認され、持続的な注意が習慣化を抑制することを確認した。次に、扁桃体における神経細胞のオペラント行動における機能的意義を、c-fos発現細胞を特異的に破壊する試薬を用いて検討した。その結果、オペラント行動の促進は主に中心核で、一方習慣化は、外側基底核で制御されていることが示唆された。
行動の過剰な促進化や習慣化は、依存症や強迫性障害、ギャンブル障害など様々な精神疾患で問題となっており、その病態機序の解明と治療法の開発は急務である。本研究の結果、習慣化における持続性注意の意義が明らかとなった。これは注意の持続に障害を有する ADHDなどで不適切な習慣化が起きやすい可能性を示唆する。また、扁桃体での異なる領域が、行動の促進化と習慣化に関して独自に関与することが示唆された。この結果は、行動の促進化と習慣化を個別に制御できる可能性を示唆しており、例えば将来的には習慣化を阻害することなく、不適切な行動の異常促進だけを抑制する治療法の開発につながる可能性がある。
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