研究課題
基盤研究(C)
新規陰性症状評価尺度( BNSS)および、陽性症状陰性症状評価尺度(PANSS)の2つの評価尺度の日本語版について、信頼性、妥当性評価の研究を行った。BNSSについては、日本語版を作成してcertificationを受けた。BNSS、PANSSの双方について、内的一貫性、外的妥当性、評価者間信頼性、再テスト信頼性のいずれも良好だった。また日本語版BNSSが2因子構造を持っていることが示された。また陰性症状を行動課題で評価する2つの行動課題(The Effort Based Decision Making 課題 と、The Reward Based Learning 課題)を作成した。
統合失調症は100名に1人の病気である。しかし統合失調症の陰性症状には有効な治療法がなく、その寛解率は20%以下にとどまっている。統合失調症患者の社会機能低下にともなう経済的損失は2兆円との報告もある。統合失調症の陰性症状の治療法の開発と社会機能の改善は、臨床的、社会的に重要な課題である。日本語版PANSS、BNSSの信頼性、妥当性が示されることで、症状評価方法が確立されることは有効な陰性症状治療法開発のために重要なステップである。また陰性症状の生物学的な基盤の探求のためには、陰性症状の背景となる行動特性の評価方法が確立されたことも重要である。
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Asian Journal of Psychiatry
巻: 54 ページ: 102210-102210
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Neuropsychiatric Disease and Treatment
巻: Volume 15 ページ: 3511-3518
10.2147/ndt.s237449