研究課題/領域番号 |
17K10326
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
精神神経科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
鄭 志誠 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (00621575)
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研究分担者 |
藤野 純也 昭和大学, 大学共同利用機関等の部局等, 講師 (90783340)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 柔軟性 / 注意機能 / 発達障害 / 意思決定 / 共感 / 注意 / 視点 / 社会性 / 注意切り替え / 視点転換 / 視点の転換 / 脳神経疾患 / 医療・福祉 |
研究成果の概要 |
自閉症スペクトラム(ASD)を対象に注意の切替え機能と柔軟性の関係、そしてその背景にある脳内メカニズムを調査した。この結果、ASD群では、定型発達群に比べ、注意の切替え機能と社会性を要する柔軟性の低下が認められた。さらに注意の切替え機能と柔軟性の間にも有意な関係が示された。この結果はこれまでASDにおいて指摘されてきた、社交場面での文脈のくみ取りの困難さや、状況理解(気づき)の不足という議論を注意機能の側面からサポートしている。さらに背景にある脳内メカニズムの研究では、これらの困難さをよりよく説明する結果が得られた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、ASDの柔軟性低下の背景にある認知・脳内メカニズムを調査した。この結果、神経心理・脳機能の観点から新たなエビデンスを提供する事ができた。本研究の結果、ASDにおける低次の注意・視点の切り替えの変調は、共感・自己ー他者理解を介し、高次の様々な柔軟な社会的意思決定に影響を及ぼす可能性が示唆された。これらの結果は、ASDのみならず社会的柔軟さの低下が関わる病態を理解する上でも有用であり、今後研究を進めていく上でも重要な基盤となりうる。さらにこれらの知見は、社会適応能力を効果的に高める臨床介入を考える上でも有益な情報となると考えている。
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