研究課題
基盤研究(C)
頭頸部癌において放射線治療の役割は大きいものの、進行癌では再発症例も多く、治療方針決定のために予後予測の確立因子が望まれる。近年、腫瘍の進行や治療抵抗性のメガニズムとして免疫チェックポイン ト分子機構が注目されている。そこで、我々は群馬大学で放射線治療(X線治療および重粒子線治療)を施行した患者検体を用いて、免疫チェックポイント分子機構の蛋白発現と予後への影響について検討した。まず、放射線治療(X線治療および重粒子線治療)を施行した頭頸部腫瘍の臨床成績を解析した。しかし、2017年研究者の施設が移動となり、研究継続が困難となったため、頭頸部癌に対する臨床成績を中心に研究成果の論文報告を行った。
頭頸部癌において根治的治療は手術療法であるが、発声や嚥下などの頭頸部領域の機能温存を考慮した場合、放射線治療の役割は大きい。放射線治療においてはIMRTや重粒子線治療などの高精度化に伴い、治療成績の改善が認められる。しかし進行癌ではいまだ再発をきたす症例も多く、免疫染色を含めた治療成績予測因子についての探索は重要となる。近年、腫瘍の進行や治療抵抗性のメガニズムとして免疫チェックポイン ト分子機構が注目されている。頭頸部腫瘍に対する放射線治療の予後予測因子や、臨床成績、有害事象の解析や発表は重要であり、将来的な治療成績の改善の一助となり、ひいては社会貢献に結びつくと考える。
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