研究課題/領域番号 |
17K10541
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科学一般
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
伊藤 研一 信州大学, 学術研究院医学系, 教授 (10334905)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 甲状腺癌 / 未分化癌 / 未分化転化 / 新規治療戦略 / 網羅的遺伝子発現解析 / 稀少癌 / 分子腫瘍学 / 浸潤 / 網羅的遺伝子変異解析 / 癌の進展 / がんの進展 / 分子標的薬 / 抗がん剤耐性機構 / 転写因子 / 癌 / トランスレーショナルリサーチ / マイクロアレイ |
研究成果の概要 |
難治性稀少癌である甲状腺未分化癌の新規治療戦略開発を目指し、未分化転化の分子生物学的機序を解析した。臨床検体の網羅的遺伝子発現解析で転写調節因子PATZ1を同定し、正常甲状腺濾胞上皮細胞株と分化癌細胞株でPATZ1を抑制すると、細胞の増殖、遊走、浸潤能が増加し、未分化癌細胞株でPATZ1を強制発現させると、細胞増殖、遊走、浸潤能の低下が認められ、さらに、uPAやMMPs活性のPATZ1による制御がin vitroで示された。一方、臨床検体での解析でも甲状腺腫瘍の脱分化の進展に伴うPATZ1発現の低下が認められ、PATZ1が甲状腺濾胞上皮細胞の発癌と脱分化に抑制的に関与している可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
甲状腺癌未分化癌は極めて悪性度が高いにも関わらず、orphan diseaseでもあり治療戦略の開発が進んでいない。今回の研究結果から、転写調節因子PATZ1の発現低下が甲状腺濾胞上皮細胞の癌化や甲状腺癌の脱分化を促進していることが示された。濾胞上皮細胞や分化癌細胞でPATZ1の発現が低下する機序は不明であるが、PATZ1の発現を維持、または回復させることで、甲状腺癌の進展の抑制や「未分化転化」の制御が得られる可能性が示唆され、未分化癌に対する新たな治療戦略創出の端緒となる知見が得られた。今後、PATZ1の制御機構が解明できれば、甲状腺癌患者の予後改善に向けた臨床応用が期待できる。
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