研究課題
基盤研究(C)
スフィンゴシン1リン酸(S1P)は慢性炎症と癌の進展を制御する生理活性物質である。我々は潰瘍性大腸炎関連大腸癌と通常型大腸癌における脂質メディエーターの役割について検討した。さらに、両者における遺伝子変異についても解析した。潰瘍性大腸炎関連大腸癌では通常型大腸癌に比べてリン酸化スフィンゴシンキナーゼ1型が高発現しており、また、遺伝子変異にも差が認められた。本研究の結果により、脂質メディエーターおよび遺伝子変異の解析は潰瘍性大腸炎関連大腸癌の診断に有用であることが示唆された。
近年、潰瘍性大腸炎に関連した大腸癌の発生が多数報告されており、その発生機序、通常型大腸癌との鑑別などが課題とされてきた。本研究において、脂質メディエーターが潰瘍性大腸炎関連大腸癌の発生に関与していること、脂質メディエーターの解析が早期大腸癌における診断鑑別に使用できる可能性が示唆された。また、遺伝子解析結果から、通常型大腸癌との違いも明らかにされたことにより、炎症性腸疾患関連大腸癌診断への一助となることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (7件) (うち国際学会 1件)
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