研究課題
基盤研究(C)
消化器癌においてカヘキシアが予後に与えるメカニズムについて、①骨格筋分解シグナル分子であるActivin A発現の意義、②骨格筋量と腫瘍局所免疫の関連性の2つについて研究を行った。①大腸癌におけるActivin Aの発現は大腸癌細胞株の悪性度に寄与し、大腸癌切除症例の予後不良因子であることが明らかになったが、骨格筋量との関連は見いだせなかった。②大腸癌切除症例における骨格筋量とT細胞リンパ球の腫瘍浸潤の程度に有意な相関を認め、カヘキシアは腫瘍局所免疫に影響を与えることで、大腸癌の予後不良に寄与していることが示唆された。
カヘキシアは癌などの慢性疾患に関連した多因性の代謝異常をきたした病態であり、不可逆的な骨格筋の減少を特徴とする。今回、我々は大腸癌症例における低骨格筋量が腫瘍局所免疫に影響を与えることで、大腸癌の予後不良に寄与している可能性について明らかにした。今後の高齢化社会に伴い、低骨格筋量のがん患者が増加することが予想され、骨格筋量を維持しながらがん治療を継続していく重要性が明らかになった。このことはがん治療中の生活の質の維持向上にも役立ち、新たに骨格筋分解シグナル分子をターゲットとした治療法開発にもつながる。
すべて 2020 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (20件) (うち査読あり 17件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (10件) (うち国際学会 2件)
International Journal of Cancer
巻: 147(2) 号: 2 ページ: 532-541
10.1002/ijc.32982
Diseases of the Colon & Rectum
巻: 62 号: 12 ページ: 1485-1493
10.1097/dcr.0000000000001484
World Journal of Surgery
巻: 43 号: 9 ページ: 2271-2280
10.1007/s00268-019-05013-y
Digestion
巻: 99 号: 1 ページ: 79-85
10.1159/000494417
Anticancer Res.
巻: 38(1) ページ: 491-499
PLoS One.
巻: 13(3) 号: 3 ページ: e0193640-e0193640
10.1371/journal.pone.0193640
Oncology.
巻: 94(5) 号: 5 ページ: 289-296
10.1159/000486624
巻: 38(1) 号: 1 ページ: 491-499
10.21873/anticanres.12249
Clin Cancer Res.
巻: 24(4) 号: 4 ページ: 784-793
10.1158/1078-0432.ccr-17-1663
Indian J Surg Oncol.
巻: 8(4) 号: 4 ページ: 580-590
10.1007/s13193-016-0543-z
Ann Oncol.
巻: 28(11) 号: 11 ページ: 2780-2785
10.1093/annonc/mdx412
Eur J Cancer.
巻: 86 ページ: 197-206
10.1016/j.ejca.2017.08.033
Cancer.
巻: 123(22) 号: 22 ページ: 4506-4514
10.1002/cncr.30880
Int J Cancer.
巻: 141(6) 号: 6 ページ: 1222-1230
10.1002/ijc.30810
巻: 28(5) 号: 5 ページ: 1015-1022
10.1093/annonc/mdx035
巻: 141(2) 号: 2 ページ: 383-392
10.1002/ijc.30715
Int J Mol Sci
巻: 18(4) 号: 4 ページ: 752-752
10.3390/ijms18040752
巻: 77 ページ: 13-20
10.1016/j.ejca.2017.02.020
Int J Clin Oncol
巻: in press 号: 4 ページ: 740-748
10.1007/s10147-017-1102-5
Pharmacogenomics J.
巻: 18(1) 号: 1 ページ: 29-34
10.1038/tpj.2016.62