研究課題/領域番号 |
17K10821
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
脳神経外科学
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
石井 宏史 金沢大学, 医学系, 助教 (90634171)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | くも膜下出血 / 脳血管攣縮 / 免疫細胞 / 好中球 / RAGE / 早期脳障害 / 損傷関連分子 |
研究成果の概要 |
くも膜下出血(SAH)後の脳血管攣縮(CVS)と続発する脳障害の病態は、血腫由来の損傷関連分子RAGEによって誘導される好中球の集積によることが分かった。
RAGE欠損マウスにおいて、SAH後の神経学的スコア及びCVSの程度が軽減されることが分かった。すなわちRAGEがSAH後に脳血管攣縮及び神経障害を来すことが分かった。また、SAH後の脳動脈周囲に好中球がRAGE依存的に集積することが免疫組織染色で確認できた。ここで好中球特異的RAGE欠損マウスを用いてSAHを作成したところ神経学的スコア及びCVSの程度が改善した。また隔壁共培養実験にてRAGE依存的に好中球が血腫に遊走することが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これ迄は脳血管攣縮における内皮細胞による攣縮作用のみが着目され、これが内皮細胞の細胞骨格制御分子Rhoキナーゼに対する阻害剤(塩酸ファスジル)が臨床適用されている根拠となっている。しかし依然顕著な患者予後の改善に迄は至っていない。これに対して本研究は初めて末梢の好中球動員がSAH後病態の核心である事を解明するものである。また我々はSAHの後遺障害が重篤な患者では内在性RAGE阻害蛋白質であるRAGEデコイ受容体が血中で少ない事実を確認している(J Neurosurg 2019)。この臨床結果はRAGE阻害剤の臨床応用への有望性を強く示唆しており、これは本研究の学術的創造性に繋がるものと考える。
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