研究課題/領域番号 |
17K11060
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
南嶋 しづか 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (20622088)
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研究分担者 |
鈴木 武志 慶應義塾大学, 医学部, その他 (80327600)
加藤 純悟 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (40465018)
井上 敬 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (90464932)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | キヌレン酸 / 心停止後症候群 / 虚血再灌流障害 / 低酸素応答 / 遠隔虚血プレコンディショニング / 心肺蘇生 |
研究成果の概要 |
遠隔虚血プレコンディショニングを伝達する液性因子であり虚血再灌流障害を軽減すると言われているキヌレン酸(KYNA)が、心停止(CA)/心肺蘇生(CPR)後の予後に及ぼす影響についてマウスモデルで検討した。CA/CPRから30分後の血清KYNA濃度は、生存群より7日以内に死亡したマウスで有意に高かった。CPR開始前にKYNAを投与するとCPR開始5分後の血圧は著明に増加したものの、血清過酸化水素濃度も著増し生存率は改善しなかった。KYNAによるCA/CPR後の活性酸素種産生増加や心筋の陽性変力作用のメカニズムの解明、KYNA産生抑制とCPR後の予後改善の可能性などさらなる研究が必要である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、虚血再灌流障害を軽減し臓器保護作用を持つと報告されているキヌレン酸(KYNA)は、CPR直前に投与すると陽性変力作用によりCPR後の心機能を改善する可能性がある一方で活性酸素種の産生を増加するという、『諸刃の剣』である事が明らかとなった。キヌレン酸は中枢神経変性疾患に対する治療薬として既に開発が進んでいる。今後、KYNAが心筋収縮を増強するメカニズムやミトコンドリア機能に及ぼす影響を明らかにすることは、KYNAの臨床応用を虚血再灌流障害領域に拡大していけるかを検討するだけでなく、安全性を担保するためにも重要である事を本研究はあらためて示唆している。
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