研究課題/領域番号 |
17K11116
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
泌尿器科学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
篠原 信雄 北海道大学, 医学研究院, 教授 (90250422)
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研究分担者 |
菊地 奈湖 (間石奈湖) 北海道大学, 歯学研究院, 助教 (00632423)
樋田 泰浩 北海道大学, 大学病院, 准教授 (30399919)
大澤 崇宏 北海道大学, 大学病院, 助教 (60374443)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 薬剤耐性 / 腫瘍血管内皮 / 尿路上皮がん / P-glycoprotein / IL-8 / 薬物耐性 / 腫瘍血管 / 尿路上皮癌 / トランスポーター / 血管新生 |
研究成果の概要 |
本研究では,転移性尿路上皮癌の予後不良因子として腫瘍血管のトランスポーターの関与を探ることとした。ヒト尿路上皮癌組織を用いてトランスポーターの一つであるP-glycoprotein(P-gp)の発現を免疫染色により解析した。抗癌剤治療により腫瘍血管のP-gp発現が上昇し、腫瘍血管のP-gp発現高値が予後不良因子となることが見いだされた。抗癌剤が腫瘍血管のP-gp発現をあげるメカニズムとして、抗癌剤により腫瘍細胞より誘導されたIL-8が関与していることが証明された。さらに、膀胱癌ゼノグラフトモデルを用いた治療実験で、P-gp阻害により抗腫瘍効果、血管新生阻害効果、転移抑制効果が増強された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
抗癌剤により腫瘍細胞の性質変化がおこることはよく知られているが、腫瘍間質細胞の一つである腫瘍血管内皮細胞も性質変化を起こしていることは新たな発見である。その性質変化の一つである腫瘍血管内皮細胞の薬剤トランスポーター発現上昇が尿路上皮癌の予後不良因子であることがわかり、薬剤耐性克服の治療戦略として腫瘍血管内皮細胞の薬剤トランスポーターを標的とする必要があることが証明された。 さらに薬剤トランスポーターの発現が上昇するメカニズムとして腫瘍細胞由来のIL-8が関与していることがわかった。本研究は薬剤耐性克服のために標的とすべき分子が同定され、新たな治療法開発につながる研究である。
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