研究課題/領域番号 |
17K11255
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 日本医科大学 |
研究代表者 |
根岸 靖幸 日本医科大学, 医学部, 講師 (50644580)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 早産 / 流産 / 自然免疫 / 無菌性炎症 / 樹状細胞 / iNKT細胞 / プロゲステロン / α-galactosylceramide / 生殖免疫学 / 産婦人科学 / 免疫学 |
研究成果の概要 |
本研究は、自然免疫による流早産発症メカニズム解析と、糖脂質を応用した新しい流早産予防法開発を目的として開始され、糖脂質α-GalCerを用いたマウス無菌性流産の解析、およびヒト早産脱落膜の細胞解析を行った。本研究では当初目的としていた流早産を予防する糖脂質の発見には至らなかったものの、糖脂質抗原により活性化された樹状細胞やiNKT細胞は直接マウス流産を引き起こし、さらに絨毛膜羊膜炎を伴わないヒト早産でも活性化した抗原提示細胞、iNKT細胞が見い出され、マウス、ヒト流早産発症のホモロジーが明らかになった。またプロゲステロンやヘパリンの流早産治療作用点は抗原提示細胞であることも見い出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人口構成の偏在化が進む我が国に於いて、妊娠・出産率の向上は喫緊の課題であり、不育症、早産などの疾患に対する生殖・産科医療の担う役割は大きい。本研究では、病原体感染が関与せずこれまで原因不明に分類せざるを得なかった流早産には、自然免疫の活性化に起因する無菌性炎症および内因性抗原が重要な役割を果たすことが示された。さらに既存薬剤のプロゲステロンやヘパリンは自然免疫細胞、特に抗原提示細胞に作用する可能性が見いだされ、これら薬剤の抗炎症作用という新たな機能の発見に繋がった。本研究により原因不明流早産のメカニズムの一端が解明され、胎盤内無菌性炎症の制御といった新しい治療概念構築に貢献したと考える。
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