研究課題/領域番号 |
17K11276
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
産婦人科学
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研究機関 | 奈良県立医科大学 (2019) 大阪大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
馬淵 誠士 奈良県立医科大学, 医学部, 講師 (00452441)
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研究分担者 |
澤田 健二郎 大阪大学, 医学系研究科, 講師 (00452392)
橋本 香映 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (90612078)
松本 有里 大阪大学, 医学部附属病院, 助教 (90756488)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 卵巣癌 / MDSC / 癌幹細胞 / 免疫逃避 / PD-L1 / PGE2 / 治療抵抗性 / 抗腫瘍免疫 / 免疫寛容 / 免疫療法 / 耐性機構 |
研究成果の概要 |
①MDSCが卵巣癌の癌幹細胞化を促進すること、②癌幹細胞がPD-L1を高発現していること、③MDSCがプロスタンディンE2(PGE2)を分泌すること、④MDSCから分泌されたPGE2が卵巣癌の幹細胞化を促進すること、⑤PGE2の産生阻害薬であるセレコキシブを用いれば、MDSCによる癌幹細胞誘導作用を効果的に抑制できること、⑥MDSCが分泌するPGE2が、mTOR経路の活性化を介して癌細胞のPD-L1の発現を亢進することを見いだした。卵巣癌において、MDSCがPGE2の産生を介して癌幹細胞化と免疫寛容の両方を誘導し癌の進展を促進すること、またこれらが卵巣癌の治療標的となる可能性が示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
MDSCが増加した卵巣癌(G-CSF産生またはIL-6産生腫瘍) は標準治療に抵抗性を示すため、予後は極めて不良である。我々は、MDSCがPGE2の産生を介して癌幹細胞化と免疫寛容の両方を誘導し、卵巣癌の進展を促進することを見いだした。これらの成果は、本病態の治療抵抗性の原因解明に寄与するだけでなく、MDSCやPGE2を阻害する治療が、癌幹細胞化と免疫逃避機構の両方を抑制し、本病態に対する新規個別化治療になり得ることを示す。我々の研究によると、MDSCが増加した卵巣癌や約10%の頻度で存在する。難治性卵巣癌患者の予後改善に寄与する研究成果であり、その医学的意義は大きい。
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