研究課題
基盤研究(C)
卵巣明細胞がんは卵巣がんのなかでも難治性がんであり、半数の患者ではARID1A遺伝子の異常がみられる。これまでに我々は、ARID1A遺伝子が欠損したがんに有望な治療薬APR-246を同定した。そこで本研究では、卵巣明細胞がん患者由来モデルや患者検体モデルを樹立および確立し、それらを用いることで、卵巣明細胞がんにおけるARID1A欠損がんに対するAPR-246の最適化がん治療薬としての有望性を検討した。本研究では、卵巣明細胞がん検体では、ARID1Aの欠損により、APR-246の奏功マーカーSLC7A11の発現が減弱し、APR-246の投与によって腫瘍増殖抑制を誘導することを明らかにした。
卵巣明細胞がんは、化学療法の効きにくい難治性がんのため新しい治療薬の開発が求められていた。本研究では、ARID1A欠損がんに有望な新規薬剤が卵巣明細胞がんの半数の患者に対して有望であることを示した。APR-246は臨床試験薬であり、今後ARID1A欠損がんへの有効性を検証することで卵巣明細胞がん患者に対する新規薬剤として臨床応用されることが期待される。
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すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (2件)
Cancer Cell
巻: 35 号: 2 ページ: 177-190
10.1016/j.ccell.2018.12.009
https://www.ncc.go.jp/jp/information/pr_release/2019/20190125/index.html
https://www.ncc.go.jp/jp/ri/division/genome_biology/project/020/20190125.html