研究課題/領域番号 |
17K11313
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
伊藤 吏 山形大学, 医学部, 准教授 (50344809)
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研究分担者 |
窪田 俊憲 山形大学, 医学部, 講師 (80536954)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2018年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2017年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 中耳粘膜再生 / HMGB1 / 内視鏡下耳科手術 / 真珠腫性中耳炎 / 中耳真珠腫 / 中耳粘膜 / 線毛上皮 / モルモット / 再生医療 / 経外耳道的内視鏡下耳科手術 / 真珠製中耳炎 / 間葉系幹細胞 |
研究成果の概要 |
モルモットを用いて中耳粘膜障害モデルを確立した。全身麻酔下に1.9mm硬性内視鏡を用いて、経外耳道的操作で鼓膜前方を開窓後、耳管周囲にある線毛上皮領域の中耳粘膜を掻爬した。術後2週でHE染色で粘膜掻爬部位の組織学的評価を行うと、粘膜障害モデルでは線毛上皮細胞は消失しており、正常粘膜は再生していなかった。 この障害モデルに対して、自己の骨髄間葉系間細胞の誘導を介して組織修復に働く分子であるhigh-mobility group box 1(HMGB1)を局所投与し、中耳粘膜再生を試みたが、粘膜障害部位の肉芽組織の増生と粘膜下の骨肥厚を認め、HMGB1はむしろ炎症反応を促進してしまうと考えられた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
中耳粘膜再生の研究を進めることにより、耳科手術後の中耳粘膜再生治療が可能となれば、これまで予防困難であった真珠腫再形成再発を比較的簡便な方法で制御できるとともに、術後聴力成績の向上も期待され、中耳炎症例のQOLにも貢献できる。本研究では内視鏡下経外耳道操作による低侵襲な方法で、HMGB1局所投与による内在性骨髄間葉系間細胞(MSC)誘導を介した中耳粘膜再生を試みたが、結果としては逆に障害後の炎症を促進させるものであった。現在、HMGB1に代わる薬剤として、鼻粘膜での線毛上皮細胞の回復効果が報告されているレチノイドを用いた中耳粘膜再生のための研究を開始している。
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