研究課題
基盤研究(C)
健聴者を対象としたfNIRS検査では語音に対する左聴覚野の優位性が検出できたが、人工内耳装用者では明らかな差を検出できなかった。fNIRS検査では側頭部の皮下組織や頭蓋骨が厚いと信号が小さくなる傾向があり、この個人差が検査結果に影響したと考えられた。その後多チャンネル脳波計をfNIRSの代わりに用いて純音刺激と語音刺激で励起される聴覚野のダイポールモーメントを解析すると、語音検査のみで有意に左聴覚野優位の賦活化を検出できた。さらに視聴覚統合のタスク時の脳機能を評価すると、視聴覚統合がおこりやすい被験者において、聴覚野と視覚野の同期的な脳活動を認めた。これらの結果を今後人工内耳装用者に応用する。
先天性難聴者では聴覚に関連した中枢神経回路の発達が傷害されると考えられている。人工内耳を介した音声入力は、部分的ではあるが聴覚関連中枢神経回路の発達を促すと考えられているがその詳細は不明である。人工内耳装用者はMRIを用いた脳機能評価が困難であるため、我々は人工内耳装用者でも施行可能なfNIRSと脳波計を用いて聴覚関連脳機能画像評価を行った。その結果、fNIRS検査では頭皮から脳表までの組織性状が検査結果に大きく影響するため注意が必要であること示唆された。一方、脳波検査では聴覚野賦活化だけでなく聴覚野と視覚野の同期的活動も検出することができ、今後人工内耳装用者に応用可能と考えられた。
すべて 2020 2019 2017
すべて 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 1件、 査読あり 10件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)
Neuroimage
巻: 208 ページ: 116455-116455
10.1016/j.neuroimage.2019.116455
Otol Neurotol
巻: 40 号: 4 ページ: 367-372
10.1097/mao.0000000000002130
巻: 40 号: 2 ページ: 177-183
10.1097/mao.0000000000002097
Acta oto-laryngologica
巻: 139 ページ: 187-194
The Laryngoscope
巻: 139 号: 7 ページ: 187-194
10.1002/lary.28265
Acta Oto-Laryngologica
巻: 139 号: 2 ページ: 1-8
10.1080/00016489.2018.1532106
The Journal of Neuroscience
巻: 37 号: 9 ページ: 2349-2361
10.1523/jneurosci.2538-16.2017
Brain and Behavior
巻: 7 号: 4
10.1002/brb3.638
PLoS One
巻: 12 号: 9 ページ: 0177599-0177599
10.1371/journal.pone.0177599
120006533290
Brain Topography
巻: 31 号: 2 ページ: 270-287
10.1007/s10548-017-0596-5
Human Brain Mapping
巻: 39 号: 2 ページ: 941-954
10.1002/hbm.23893