研究課題
基盤研究(C)
唾液腺がんは稀少がんであり、多くの場合、放射線や抗がん薬に抵抗性であるため、進行がんに対する術後アジュバント療法や再発・転移・手術適応外症例に対する治療法が確立しておらず、新たな治療法の開発が急務である。再発・進行がんに対する免疫チェックポイント阻害薬治療が様々な癌種で適応となり、がん免疫療法が実地診療で行われる様になってきた。免疫チェックポイント阻害薬は主にT細胞の免疫抑制を解除することにより臨床効果が得られるが、多くの担癌患者ではT細胞機能が強力に抑制されているために、チェックポイント阻害だけでは不十分であり、新たな免疫療法の確立が求められている。キメラ抗原受容体(CAR)はT細胞に遺伝子導入することにより、強力な抗原特異的T細胞を大量に増殖させることが可能であり、未だ臨床試験の段階ではあるが、主にB細胞性悪性腫瘍に対して目覚ましい成果が報告されている。しかし、固形がんに対してはCAR T細胞療法単独では十分な効果を上げてはおらず、新たなアプローチが必要と考えられている。我々はこれまで進行頭頸部がん患者を対象として、NKT細胞細胞系を用いた免疫療法に関する臨床試験を行ってきた。頭頸部扁平上皮癌患者に対する臨床試験では進行がんに対しても部分奏功症例を認めており、現在、第Ⅱ相試験にて有効性の確認を行っている。また、唾液腺がんに対しても第Ⅰ相試験を行っている状況であり、機会将来の臨床応用を目指している。本研究では唾液腺がんに対する新規免疫療法として、CAR T細胞療法とNKT細胞療法の併用が効果的であるとの仮説に対して検証を行った。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (9件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件)
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