研究課題/領域番号 |
17K11387
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
|
研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
近藤 英司 徳島大学, 病院, 助教 (50770434)
|
研究分担者 |
武田 憲昭 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 教授 (30206982)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
|
キーワード | カプサイシン / 外耳道刺激 / 嚥下障害 / 誤嚥性肺炎 / 咳反射 / サブスタンスP / 嚥下性肺炎 / 高齢者 |
研究成果の概要 |
我々は、カプサイシン軟膏による外耳道刺激が嚥下障害患者の咳反射を亢進させ嚥下機能を改善させることを報告してきた。本研究では、カプサイシン軟膏による外耳道刺激で咳反射が亢進する機序の解明と誤嚥性肺炎の予防効果について検討した。 健常人の外耳道をカプサイシン軟膏で刺激すると咽喉頭粘膜からの喀痰中に含まれるサブスタンスP(SP)が増加することが明らかになり、カプサイシン軟膏が外耳道の迷走神経知覚枝を介して咽喉頭粘膜下から逆行性にSPを遊離し咳反射を亢進させると考えられた。また、カプサイシン軟膏刺激の反復は嚥下障害患者の肺炎罹患回数を刺激前より有意に減少し、誤嚥性肺炎の予防に有用である可能性が示された。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、高齢者の嚥下性肺炎が急増し誤嚥を予防するために嚥下訓練など様々な介入が行われているがエビデンスは限られている。降圧剤であるACE阻害薬は副作用である咳反射の亢進により誤嚥を防止し嚥下性肺炎の罹患率を減少させる報告があるが、服薬により薬剤を誤嚥するリスクを伴う。 我々は、これまでの研究でカプサイシン軟膏による外耳道刺激が嚥下障害患者の咳反射を亢進させることを示し、本研究において誤嚥性肺炎の予防にも有用である可能性を示した。本法は誤嚥の危険性がない安全で新しい嚥下障害の治療法となる可能性があり、臨床への応用により超高齢化社会のニーズに応えることができると考えられる。
|