研究課題/領域番号 |
17K11410
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
耳鼻咽喉科学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
小澤 宏之 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (30327621)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 低酸素応答因子 / ANGPTL4 / 中咽頭癌 / 下咽頭癌 / 頭頸部癌 / 転移 / 低酸素誘導因子 |
研究成果の概要 |
HIF1-α転写因子の1つであるANGPTL4と頭頸部癌との関わりについて検討した。 下咽頭癌症例のANGPTL4の免疫組織学的発現と臨床所見との関連について検討した。多変量解析で、OSについてANGPTL4発現が独立した予後規定因子であった。中咽頭癌でも同様の結果が得られた。 続いて、頭頸部癌細胞株を用いANGPTL4発現のノックダウンを行い、ANGPTL4発現を低下すると、EMT関連遺伝子やがん幹細胞形質に関連する遺伝子の発現が減少した。ANGPTL4は腫瘍の促進と抑制と双方に関わっている報告があるが、頭頸部癌ではANGPTL4は腫瘍を抑制する方向で働いていることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
頭頸部癌全体の生存率は50%程度に過ぎず、予後を改善するためには予後因子の1つである転移を抑制する治療手段を確立すること、治療抵抗性である転移巣への治療効果を改善する必要がある。今回の検討により、HIF1-αの転写因子であるANGPTL4が頭頸部癌において腫瘍抑制に関わることが示された。ANGPTL4を制御する薬は臨床レベルでは存在しないが、発現を促進する薬剤を開発することにより、将来の頭頸部癌の治療薬として期待できる。また2種の癌種で予後規定因子となっていたことから、ANGPTL4発現が予後予測などのバイオマーカーとして活用できる可能性が示された。
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