研究課題/領域番号 |
17K11471
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
眼科学
|
研究機関 | 国立研究開発法人理化学研究所 |
研究代表者 |
大西 暁士 国立研究開発法人理化学研究所, 生命機能科学研究センター, 上級研究員 (70569102)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2018年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2017年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 神経網膜 / 網膜色素上皮 / 脈絡膜血管 / 加齢黄斑変性 / レチノイン酸 / 脈絡膜毛細血管 |
研究成果の概要 |
我々は、背側部神経網膜発現するレチノイン酸合成酵素Aldh1a1の欠損マウスが脈絡膜低形成の表現型を示す事を見出し、脈絡膜形成の分子機序および低形成より引き起こされる病態について解析を行った。この結果、神経網膜で合成されるレチノイン酸が胎生期においてRPEでの転写因子Sox9の発現を増強し、このSox9が脈絡膜側に分泌されるVEGFを調節することで脈絡膜血管形成を制御する事、および老化に伴い萎縮型加齢黄斑変性の病態を認めた。脈絡膜の発生が脈絡膜以外の部位から制御されるという本研究成果は、AMDを含めた網脈絡膜疾患の病態解明、および発症前診断や治療法開発に対し新たな知見を提供する事が期待される。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Aldh1a1はマウスでは神経網膜背側部分に特異的に発現し、欠損マウスでは外側の脈絡膜毛細血管板に低形成を認めた解析結果は、神経網膜由来のレチノイン酸がRPEを挟んで更に外側の脈絡膜血管の形態形成に影響を及ぼす事を示す。これは、網膜発生学的に新規性が極めて高い研究成果であり、他の組織の血管形成機構の分子機序に関する新たな知見をもたらす。 また、前駆病変における遺伝子発現を同定した本研究成果は、中途失明原因の上位疾患である加齢黄斑変性の病態解明および先制医療(発症前予測・予防的治療)への応用が期待される事から医学的意義が高く、患者QOLの向上に寄与する事からも社会的にも大きな意義を持つ。
|