研究課題/領域番号 |
17K11585
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
救急医学
|
研究機関 | 奈良県立医科大学 |
研究代表者 |
粕田 承吾 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (70434941)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
|
配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 急性アルコール中毒 / 敗血症 |
研究成果の概要 |
エタノールがNETsの産生・放出を増強することを明らかにした。 好中球をPMAで刺激し、上清中のcell-free DNA (cfDNA:NETsの構成成分)を測定したところ、エタノールの添加によりcfDNA放出が増強された。また、NETsの産生および放出に必須のreactive oxygen species (ROS)とシトルリン化ヒストン(Cit-H3)もエタノール添加により増強した。エタノール単独ではこれらの産生を促すことはなかった。 急性アルコール中毒モデルマウスにCLP法で敗血症を惹起したところ、アルコール非投与群と比較して、血中のcfDNAおよびcit-H3は有意に増加していた。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
急性アルコール中毒時には、敗血症が増悪することが知られているが、その詳細な機構についてはいまだ不明である。今回の研究で、エタノールは、neutrophil exracellular traps (NETs)の産生・放出に影響を及ぼしていることが明らかとなった。NETsは好中球が細菌を捕獲するために放出するDNAやヒストンを主成分をする網目状構造物であり、細菌をトラップすることで感染の進展を抑制する。しかし、過剰な放出は血管内皮細胞傷害などを引き起こし、敗血症増悪に寄与すると考えられる。エタノールが、NETs産生を増大させることが明らかとなり、今後の敗血症治療の発展に寄与すると考えられる。
|