研究課題/領域番号 |
17K11855
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
外科系歯学
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
片桐 綾乃 大阪大学, 歯学研究科, 講師 (40731899)
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研究分担者 |
岩田 幸一 日本大学, 歯学部, 特任教授 (60160115)
久保 亜抄子 日本大学, 歯学部, ポスト・ドクトラル・フェロー (70733202)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2018年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 神経障害性疼痛 / 投射ニューロン / 三叉神経脊髄路核 / 視床後内側腹側核 / 視床内側各群 / 橋結合腕傍核 / C-fiber / Aδ-fiber / 三叉神経脊髄路核尾側亜核 / 視床内側核群 / C線維 / Aδ線維 / 孤束核 / 背側三叉神経傍核 / 侵害情報伝達機構 / 下行性抑制機構 |
研究成果の概要 |
末梢神経損傷に起因する中枢神経系の侵害情報入力機構の可塑的変化が、神経障害性疼痛を惹起すると仮説を立てた。三叉神経脊髄路核尾側亜核ニューロンは、侵害情報を視床後内側腹側核(VPM)、および橋結合腕傍核(PBN)に投射し、VPMは痛みの弁別的側面を、PBNは痛みの情動的側面を調節する。眼窩下神経損傷時には、カプサイシン刺激により誘発されるC線維を介したVPM、PBNへの侵害情報入力が増加した。一方、機械刺激感受性神経線維を介した侵害情報はPBNへの入力のみが増加した。すなわち、口腔顔面領域の神経障害性疼痛は、PBNへの侵害情報入力増加により、痛みの情動的側面がより増強される機序が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
外傷、または外科処置を含む歯科臨床における三叉神経損傷により、口腔顔面領域に慢性の異常疼痛を生じることがある。末梢からの侵害情報を脳に伝え、痛みを認知するために重要な役割を担う投射ニューロンの機能変化の解明が、神経損傷性疼痛の制御において重要となる。特に口腔顔面領域の疼痛は、痛みの情動的側面と強い相関を持つことが報告されている。本研究にて、三叉神経損傷時には、侵害刺激の種類によらず、痛みの情動的側面を司る橋結合腕傍核への侵害情報入力が多くなることを明らかにした。この神経学的メカニズムの解明により、三叉神経障害性疼痛の診断および新規治療法確立のために必要な基礎研究データを提示することができた。
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