研究課題
基盤研究(C)
本研究では、不正咬合モデルマウスを作製し、口腔疾患と心疾患の因果関係およびその分子機序を解明することを目的とした。16週齢の雄性マウスを①コントロール群、②不正咬合群、③propranolol(β受容体遮断薬)投与群、④不正咬合+propranolol投与群の4群に分けて2週間後に心臓を摘出し、不正咬合による口腔ストレスが心臓および交感神経活動に及ぼす影響を詳細に解析した。その結果から、不正咬合による慢性的な交感神経活動の亢進が、細胞内Ca2+の過負荷ならびにオートファジー機能の低下による酸化ストレスの上昇を介して心筋リモデリング(線維化およびアポトーシス)を誘導することが示唆された。
口腔疾患と心疾患の関連性は疫学調査から示唆されているが、その因果関係やメカニズムに関する詳細な報告は少ない。本研究では、不正咬合モデルマウスを用い、口腔機能障害と心疾患の因果関係およびその分子機序を解明した。また、得られた研究成果から、正常な口腔機能の維持が心疾患の予防につながることも示唆された。高齢化社会を迎え、近年増加傾向にある歯周病などの口腔疾患と、死亡原因第2位の心疾患との関連性を調べた本研究の意義はきわめて高い。
すべて 2021 2020 2019 2018 2017
すべて 雑誌論文 (7件) (うち査読あり 7件、 オープンアクセス 7件) 学会発表 (22件) (うち国際学会 1件、 招待講演 5件)
PLoS One
巻: 15(7) 号: 7 ページ: e0236547-e0236547
10.1371/journal.pone.0236547
Sci Rep
巻: 10(1) 号: 1 ページ: 13765-13765
10.1038/s41598-020-70791-8
循環制御
巻: 41
巻: 14 号: 4 ページ: e0215539-e0215539
10.1371/journal.pone.0215539
The Journal of Physiological Sciences
巻: 69 号: 3 ページ: 503-511
10.1007/s12576-019-00670-z
40021874238
J Physiol Sci
巻: 69 号: 1 ページ: 159-163
10.1007/s12576-018-0630-8
40021804812
Pflugers Arch.
巻: 470 号: 6 ページ: 937-947
10.1007/s00424-018-2124-1