研究課題/領域番号 |
17K12860
|
研究種目 |
若手研究(B)
|
配分区分 | 基金 |
研究分野 |
環境政策・環境社会システム
|
研究機関 | 福岡女子大学 |
研究代表者 |
岩崎 慎平 福岡女子大学, 国際文理学部, 准教授 (20708028)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
|
キーワード | 漁民の森づくり / 森林コモンズ / 流域環境ガバナンス / 森林ボランティア / 過少利用 / 植林・育林 / 漁民の森 / 森川海 / 漁業管理 |
研究実績の概要 |
本研究は、「漁民の森づくり」に着目し、同活動の実態を全国規模で解明するとともに、漁業者主導による森林コモンズの可能性を探ることを目的とする。漁民の森づくりは、森・川・海をひとつながりの生態系として捉え、漁業を営む沿岸海域に流れ込む河川の流域において、荒廃した土地を再生するために漁業者が植林・育林を行う環境創造的な取組である。 本年度の研究では、漁民の森づくりの活動変遷とその活動の継続性を支える要因に焦点をあて、資料収集および事例調査を実施した。具体的には、近世から現代までの史的変遷をレジリエンスの視点から紐解き、適応循環モデルを用いて同活動の継続性を支える要因を検討した。適応循環モデルは、4つの段階(試行期→安定期→解体期→再構成期)から構成され、本研究では、現代における漁民の森づくり活動が適応循環のどこに位置するのか、同時に過ぎ去った変遷の循環について把握することを試みた。その結果、漁民の森づくりの史的変遷を二度の循環体系に整理した。第一の循環体系は幕藩領主の介入による沿岸部を主とした「魚付き林」制度、第二の循環体系は環境悪化および漁業構造の変化や魚付効果研究の進展を受けて1980年代後半・90年代初頭から流域全体を対象にして取り組む森づくり運動である。また、青森県・北海道における追加の事例調査結果を踏まえて、現代における漁民の森づくり活動の持続性を確保する手立てとして、協働型森づくり、主要施策への統合、財源多様化の戦略、森づくりの付加価値化などを特定した。これらの知見を基に、日本湿地学会第14回釧路大会で成果を発表し、学会発表奨励賞を受賞した。今後は、これまでに収集した文献資料や事例調査結果を整理し、国際学会での成果報告および学術誌への投稿を行う予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルス感染拡大に伴い、現地調査の実施などに遅れが生じた。そのため、研究期間をさらに1年間延長することとした。
|
今後の研究の推進方策 |
これまでの研究において、四半世紀を超える漁民の森づくり活動の史的展開および活動実績を明らかにした。そのうえで、漁民の森づくり活動の頑健な組織マネジメントに求められる有形資源・人的(無形)資源・仕組み等を特定事例に基づき検証を行う。
|