研究課題/領域番号 |
17K12864
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
環境政策・環境社会システム
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研究機関 | 中部大学 (2018-2019) 立命館大学 (2017) |
研究代表者 |
安本 晋也 中部大学, 中部高等学術研究所, 講師 (60725563)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2018年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2017年度: 3,120千円 (直接経費: 2,400千円、間接経費: 720千円)
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キーワード | 環境正義 / 健康格差 / GIS(地理情報システム) / 社会調査 / 貧困 / GIS |
研究成果の概要 |
本研究では郵送質問紙調査とGISを用いて、横浜市を対象に環境正義が健康格差にどのような影響を与えているかを分析した。「環境正義」とは富裕度などの住民の特徴に関わらず、環境の質が地域間で公平に配分されている状態を指す。分析の結果、公園の認知的および客観的近接性における環境の不正義がみられた。また、認知的近接性が低い回答者の集団では主観的健康感において健康格差がみられた。富裕度が低い地域に居住する集団は、認知的近接性の剥奪から負の健康影響をやや受けやすい可能性があることもわかった。認知的近接性の改善のためには、近隣の交通事故や犯罪のリスク認知の改善等、包括的な対応が必要であることも明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年、日本において健康格差の問題が注目されている一方で、近隣環境の質の配分が健康格差にどう影響を与えているかは明らかにされてこなかった。本研究では都市公園の不公平な配分(環境の不正義)が存在することを計量的に示した。また主観的健康感の指標において、富裕度の低い地域では公園の認知的近接性の剥奪に対して居住者がやや脆弱である可能性が見出された。これらの結果から、公園などの環境の質の配分が健康格差に影響を与えることを考慮した施策が必要であることが明らかになった。 景気の後退や社会保障制度の縮小により、今後の貧困問題の深刻化が予測される中、環境正義と健康格差への対応は重要性を増すと考えられる。
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