研究課題/領域番号 |
17K12957
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
永島 昂 立命館大学, 産業社会学部, 准教授 (10733321)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 鋳物産業 / 中小企業 / 鋳造方案 / 情報技術 / 鋳造CAE / 基盤技術 / 素形材 / 鋳物 / 大量生産 / 素形材産業 / 中小鋳物メーカー / 情報通信技術 / 鋳造CAE / 3Dプリンタ |
研究成果の概要 |
鋳物づくりには技能、経験、ノウハウが重要だとよく言われるが、それらの内容は時代によって変化してきた。 高度成長期以前は造型工が個人的に蓄積した身体的な技能や経験が重視されてきたが、高度成長期に機械化が進展した結果、身体的な技能の役割は相対的に低下する一方で、製造経験やノウハウ、鋳造工学における工学的な知識の役割が鋳造方案と呼ばれる鋳物づくりの設計において高まった。その後、鋳造方案の設計に鋳造CAEという情報技術の活用が2000年代から広まる。情報技術が導入されたことで、これまでの製造経験やノウハウ、工学的な知識の役割が減じたのではなく、むしろその基礎の上で情報技術が活用されている。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鋳物産業では1990-2000年代以降に情報技術が普及するが、当該産業の歴史的展開のなかでの熟練・技能、ノウハウの役割やそれらの変化、そして情報技術の関連について分析した研究は少ない。本研究は、情報化が進んだ時代においても、鋳物産業では依然として製造経験、ノウハウ、工学的知識の役割が重要だということ示した。鋳物づくりの経験、ノウハウ、知識は、これまでの各企業の事業継続のなかで蓄積された知的財産である。産業空洞化が叫ばれて久しいが、改めて鋳物産業のような基盤的技術産業の維持・発展が社会的な課題であることを示唆している。
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