研究課題/領域番号 |
17K12959
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
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研究機関 | 東京農業大学 (2019-2020) 東京大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
工藤 光平 東京農業大学, 農学部, 助教 (40790077)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2017年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 日本鶏 / 育種観 / 育種動機 / 機能形態 / 羽装色 / 歩行姿勢 / 歩行・姿勢 / 形態 / 行動 / 愛鶏家 / 品種創生 / 形質―育種観関係 / 人と動物の関係学 |
研究成果の概要 |
本研究では、日本鶏育種家の育種観と日本鶏の形質との対応関係の理論化を目指した。その研究成果として、育種家が社会的交流を通して従来の動物観とは異なる独特の育種観を形成しており、育種家の帰属する集団が育種家個人の日本鶏への嗜好性に影響し、鶏飼育の動機づけと行動内容を決定することが判明した。日本鶏の外貌に向けられた審美的感覚は、品種ごとの骨格形態、歩行や姿勢、羽装色の特徴に表現され、鑑賞利用や闘鶏利用といった用途と整合性がみられた。また、育種家の嗜好性が品種の性格形質にも向けられていることが示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本鶏に内包される各形質を精査し、形質がもつ認知心理学的効果を育種観と対応させて提示した本研究は、家禽化過程における人とニワトリとの関係までを見据える、家禽史の理解を前進させるものである。育種家の日本鶏飼育の動機づけや飼育継続の成否に関与する品評会と審査標準の在り方を考究した点は、実務現場での日本鶏保護を見直す重要な資料となる。日本鶏の形質の審美的価値を議論した点は、プロダクトデザインの発展にも寄与する。ニワトリを産業動物や食料資源ではなく、人の精神世界・選抜過程を物語る文化財として位置づけた点は、日本文化を継承していくことに貢献する。
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