研究課題/領域番号 |
17K12963
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
文化財科学・博物館学
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研究機関 | 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所 |
研究代表者 |
松田 和貴 独立行政法人国立文化財機構奈良文化財研究所, 埋蔵文化財センター, 研究員 (60791035)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 保存科学 / 木製遺物 / 出土木材 / 一時保管 / 劣化抑制 / 出土木製遺物 / 微生物劣化 / 文化財科学 |
研究成果の概要 |
水中保管時における木製遺物の劣化には、好気性微生物の活動が大きく影響していると考えられる。これまで研究代表者らは、実際の遺物の水中保管環境において溶存酸素を低減する方策を検討、考案してきた。本研究では、溶存酸素の低減による木製遺物の劣化抑制効果を中長期的かつ定量的に評価するため、出土木材を試料とした腐朽実験をおもに実施した。 その結果および既報の成果との比較検討から、溶存酸素の低減による還元環境の創出が、水中保管環境における木製遺物の劣化抑制に有効であることをあらためて示した。また、これを実現するための人的・経済的な負担や環境負荷が小さく、簡便かつ継続的に運用可能な手法を提示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、木製遺物の水中における劣化現象について、種々の環境条件が及ぼす影響を実験から定量的に検討したことで、その抑制のための要件を具体的に示すことができた。さらに、実際の木製遺物の水中保管環境で比較的容易に運用可能な劣化抑制法を提示し、同法を中長期間運用した場合にも一定の効果があることを示した。本法は、防腐のための化学薬品を用いず、また高度な設備等も要しないため、環境負荷および導入・運用コストを抑えることができる。本研究の成果は、日本のみならず各国地域における文化財保護に資するものであるといえる。
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