研究課題
若手研究(B)
本研究では台風に伴って発生する竜巻に着目し、次世代観測装置であるフェーズドアレイレーダー(PAR)を用いて、現象の物理機構の解明に取り組んだ。2台のPARを用いた統合解析や至近距離からの高解像度観測を通して、渦が形成されていく様子を30秒ごとに立体的に捉えることに成功した。複数の事例解析により、台風環境下における極めて強い鉛直シアが低高度にまで渦を形成しやすくする要因となっていることに加え、積乱雲内部の降水コアの落下に伴う下降気流が地面付近に竜巻性の渦を作り出すきっかけとなっていることが明らかになった。これらは、これまで未解明であった現象の分単位での機構解明につながる新しい知見である。
台風に伴う竜巻は発生頻度が高いにもかかわらず、親雲の空間スケールが小さいため、現象の理解と監視・予測が困難であった。本研究はPARを用いることによってこの問題に取り組み、現象の分単位での機構解明を可能とした点に学術的な意義がある。また、竜巻は台風の中心部から数100kmほど離れて発生するため、台風が十分に接近する前の段階から竜巻に対する警戒を高める必要があり、このためには竜巻発生の予兆をより直接的に捉える必要がある。本研究で得られた知見は、PARを用いた渦と降水コアの監視が竜巻発生の直接的な指標として有効な手立てであることを示唆するものであり、未来の防災技術の高度化の上で社会的な意義が高い。
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