研究課題/領域番号 |
17K13079
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
リハビリテーション科学・福祉工学
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研究機関 | 金沢医科大学 |
研究代表者 |
田中 貴士 金沢医科大学, 医学部, 助教 (30734694)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2018年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 高齢期 / 脳損傷 / 神経回路再編 / 運動機能回復 / 炎症 / 自発的運動 / 高齢マウス / 神経回路再建 / 脳内炎症 |
研究成果の概要 |
脳損傷後にみられる運動障害などの機能障害の改善には、失われた神経回路の再編が重要である。若齢期の成体マウスにおいては、損傷を免れた神経が代償的に神経回路を再編させることで、ある程度の運動機能の回復が得られることが明らかになってきたが、高齢期のマウスでは同じような神経回路の再編が起こらず、運動機能が回復しないことを見出した。そこで、高齢期の脳損傷モデルマウスに自発的な身体運動を実施させた結果、非損傷側皮質脊髄路の脊髄麻痺側への側枝形成の程度が増加し、麻痺肢の運動機能を回復させることができた。今後は、自発的な身体運動による回復効果をさらに検証し、効果的な介入方法を探索していく。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
我が国における脳血管障害者の累積は100万人を超え、外傷性の脳損傷患者は毎年約1万人ずつ増加をしている。これら障害者の大半を高齢者が占めており、脳損傷を主とする運動機能障害は寝たきりや要介護を引き起こす大きな要因である。これまでの研究では、若齢期の成体モデルを用いた研究が主体であったが、臨床により近いデータを提供するには高齢期における研究が必要であった。本研究によって、高齢期のマウスでは脳損傷後の機能回復が生じないが、自発的な運動を実施することで神経回路の再編や運動機能の回復が促されることが明らかになった。今後はさらに研究を重ねることで、より臨床に有用なデータを提供していく。
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