研究課題
若手研究(B)
高齢女性では、40代から現れる更年期症状に加えて糖尿病のリスクが増加するが、エストロゲンの低下が大きな影響を与えている。本研究により、エストロゲンが一酸化窒素合成酵素 (iNOS) の制御を介した血糖上昇抑制作用をもつことを明らかにした。エストロゲンは、AMPK発現や糖取り込みに関与するトランスポーター(GLUT4)膜転移をiNOSの制御を介して行っていることが示された。
本研究では、血糖値上昇におけるエストロゲン低下とiNOSの関与について研究した。iNOSは膵臓においてだけではなく、末梢組織である骨格筋でも機能を有しているのではないか?という仮説を立てた。この仮説を立証するため、iNOSと骨格筋における糖代謝との関連性、中脳辺縁系ドーパミン神経系に制御される自発的な気力・運動量にiNOSが与える影響に着目し、iNOSの機能性と血糖値との関連性を明らかにした。さらに、iNOSシグナル抑制による血糖降下作用についても解析することにより、iNOSの抑制作用が創薬標的になりうるかを検討した。本研究は、酸化ストレス抑制という新たな血糖降下作用の発見に繋がるものである。
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Biomedicine & Pharmacotherapy
巻: 104 ページ: 427-436
10.1016/j.biopha.2018.05.065
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