研究課題/領域番号 |
17K13244
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
子ども学(子ども環境学)
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
伊角 彩 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 日本学術振興会特別研究員 (70773175)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2018年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2017年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | 子ども虐待 / 医療コスト / 高齢期 / ライフコース / 幼少期の逆境体験 / コスト / 医療費 / 子ども / 高齢者 |
研究成果の概要 |
子ども虐待が健康に与える影響は、幼少期だけでなく高齢期にまで及ぶことが先行研究で報告されている。しかし、日本には実際に虐待を受けた子どもを把握するシステムがないため、虐待の健康への悪影響を定量的に把握することは難しく、ほとんど研究が行われてこなかった。本研究では、大規模な高齢者コホート調査と国民健康保険のレセプトデータを連結したデータを用いて、被虐待経験の有無による前期高齢期の医療費の相違を検討した。高齢者の年齢や性別の影響を考慮しても、被虐待経験がある高齢者の年間医療費はそうでない高齢者に比べて多いことが明らかになり、幼少期の被虐待経験が高齢期の医療費へ与える影響を可視化することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では大規模な高齢者コホート調査と医療費データを用いることによって、幼少期の被虐待経験が高齢期の医療費に影響を与えることを明らかにすることができた。日本では、このように被虐待経験の有無によって実際にかかった医療費が相違するかを検討した研究は他にない。さらに海外の先行研究と比べても、65歳以上の男女を対象に幼少期の被虐待経験が医療費に与える長期的影響を示したのは本研究が初めてと言える。 また本研究成果は、虐待が社会に与える影響の大きさを示しただけでなく、高齢期の医療費を削減するためには虐待の第一次予防と早期発見・支援が重要であることを提言できた、という点でも社会的意義が大きい。
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