研究課題/領域番号 |
17K13289
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
藤岡 達磨 神戸大学, 人文学研究科, 人文学研究科研究員 (00611849)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 台湾 / 女性 / 新女性 / 文化 / 社会学 |
研究成果の概要 |
本研究計画を通じて、複数の近代化下の本島人女性たちは、「近代」「日本」「中華」などの複数の近代性、「職業婦人」「専業主婦」「モダンガール」などの近代女性像など台湾における文化正統性が複数存在することを利用し、所属していた階層や生活様式に合わせて、結婚修行のため、新たな母親役割に対応するため、女性の社会進出のためなど、相対的に自律的で複層的な文化戦略を取っていたことが明らかになった。この自律性あるいは選択可能性は、本島人女性、時には内地人女性を含めた女性内部での意見の相違、あるいは対立を生み出しており、総じて個人として権力を行使する消費者としての女性像(≒モガ)への評価が低いことが分かった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本統治下の植民地であった台湾において、近代的な女性像と生活様式が日本国内と同様に影響を与えていたが、その受容のされ方は一様ではなく、所属していた階層や先有傾向に合わせて受容されていたことが明らかになった。 植民地社会に対する宗主国の影響の現れ方の共通点と相違点を具体的資料に基づいて明らかにすることで、植民地社会における近代社会の複層的な実態を明らかとした。この研究成果は従来までは、宗主国対植民地社会の構図で単純化されがちな植民地社会の近代化の状況の理解を相対化し、より多様な台湾近代社会の在り方を提示した点で、社会的学術的な意義を持つ。
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