研究課題/領域番号 |
17K13315
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 広島工業大学 |
研究代表者 |
八重樫 徹 広島工業大学, 工学部, 准教授 (20748884)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 共感 / 現象学 / 徳倫理学 / 道徳心理学 / 倫理学 / 愛 / 非人間化 / エトムント・フッサール / 差別 / 想像力 / 人工知能 / 心の哲学 / ヒューム / 道徳哲学 / フッサール |
研究成果の概要 |
共感を基盤とする現代倫理学の諸理論を現象学の観点から検討しつつ、関連する諸概念(愛、尊厳の尊重、非人間化など)と共感との関係を明確化することに取り組んだ。現代の徳倫理学とそれに対する批判を検討する中で、共感に中心的な役割を与える道徳理論の問題点を整理した。さらに、ポール・ブルームなどの道徳心理学者の議論の検討を通じて、共感と呼ばれる現象に含まれるさまざまな要素を区別し、それらの間の基づけ関係を理解することが倫理学上の問題の解決にとっても重要であること、そうした作業にとって(心理学によるアプローチだけでなく)現象学的アプローチが有効であることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の現象学研究は共感(感情移入)を他者経験の現象学という文脈の中で扱ってきたが、本研究は共感概念の倫理学上の役割を現象学の観点から考察することにより、現象学研究の新たな方向性を見出すとともに、現象学と現代倫理学の新たな接点を示すものである。現象学的倫理学の立場から例えば差別や非人間化といったテーマに取り組む際の基礎を提供しうるという点でも、本研究の学術的意義は大きい。また、差別や戦争などの問題に関して、共感が重要だということが一般によく言われるが、共感とは何であり、共感が世界をよりよくするとすればどのようにしてか、といったことを問い直す際の手がかりを提供しうる点で、社会的意義を有する。
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