研究課題/領域番号 |
17K13324
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 大谷大学 |
研究代表者 |
田鍋 良臣 大谷大学, 文学部, 非常勤講師 (90760033)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2019-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2018年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2018年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2017年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 黒ノート / ナチズム / 人種主義批判 / 身体論 / 存在史的反ユダヤ主義 / 血と土 / 反ユダヤ主義 / コルベンハイヤー / 「反(Anti)」の構造 / 形而上学の超克 / メタポリティーク / 再始源化 / 人種主義 / 政治哲学 / 一神論 / 唯一神批判 / 計算 / 哲学 / 政治思想 / ハイデッガー |
研究成果の概要 |
本研究は、ハイデッガーとナチズムとの思想的なかかわりを、「黒ノート」に記された「メタポリティーク」という政治‐哲学的な構想の分析を軸に再検討した。主な研究成果は、以下の3点である。 (1)フライブルク大学総長の時期(1933-34年)のハイデッガーは、ナチズム革命を「哲学の再始源化」の好機と捉え、その遂行をメタポリティークと規定する。(2)とはいえメタポリティークには、ナチズムの人種主義に対する批判と、それに伴う人種概念の身体論的な考察が含まれる。(3)いわゆる「存在史的反ユダヤ主義」をめぐる問題の一端は、ハイデッガーの人種論に関する論点が整理されていないことに起因する。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、「黒ノート」という新資料に依拠して、従来は必ずしも明瞭ではなかったハイデッガーとナチズムとの思想的なかかわりを明らかにしたことである。政治と民族(あるいは人種)をめぐる総長期のハイデッガーの思想動向を解明した本研究の成果は、民族主義(あるいは人種主義)が台頭しつつある現在の世界情勢に対して、哲学的に考察するための一つの視座となるだろう。
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