研究課題/領域番号 |
17K13325
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
哲学・倫理学
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研究機関 | 同志社大学 |
研究代表者 |
服部 敬弘 同志社大学, 文学部, 准教授 (10770753)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2018年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2017年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ミシェル・アンリ / 生の様態 / ラシエーズ=レイ / 言語 / 現象学 / 生 |
研究成果の概要 |
本研究は、アンリの言語論を、後期のキリスト教三部作を通して分析し、その全体像を明らかにした。それと同時に、前期・中期の著作に言語論の原型となる発想を探った。アンリは内在を超越の本質と捉えることによって、命題で表現されうる言語の基礎として内在を提示する。内在と超越は「生の言葉」と「世界の言葉」という二元性として展開される。前者が後者の基礎たりうるのは、生が言語の素材となる内容を産出することで内在から超越への移行を可能にするからである。しかし、この移行は最終的に「生の言葉」自体ではなく、それを対象化する個々人の決定に委ねられることで「世界の言葉」の基礎づけは先送りされる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで「生の言葉」と「世界の言葉」、それぞれの性格については多くの研究が費やされてきたが、前者が後者をいかに基礎づけるかについては、アンリが多くの記述を費やしているにも関わらず、主題的な研究はなかった。それに対して、本研究はこのアンリ言語論における従来の研究の空白を埋めるものである。その過程で、アンリの力能論の重要性が再認識されると同時に、アンリが生の言葉と世界の言葉との架橋を試みつつも、実質的には両者を分断していることが示された点は、アンリ研究史において重要な意義をもつ。
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