研究課題/領域番号 |
17K13330
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研究種目 |
若手研究(B)
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配分区分 | 基金 |
研究分野 |
中国哲学・印度哲学・仏教学
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研究機関 | 京都大学 (2018-2019) 香川大学 (2017) |
研究代表者 |
池田 恭哉 京都大学, 文学研究科, 准教授 (50709235)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2019年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2018年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2017年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 北朝 / 漢化 / 牛弘 / 辛彦之 / 『隋書』 / 王倹 / 儀注 / 王通『中説』 / 『隋朝儀礼』 / 「請開献書之路表」 / 王通 / 『中説』 / 隋朝 / 植民地政策 / 言語統治 / 北魏・孝文帝 / 中国哲学 |
研究成果の概要 |
本研究の目的は、中国南北朝時代における北朝の「漢化」について、北朝の漢文化への単純な同化という従来の側面からではなく、北朝が如何に漢族の文化を吸収し、消化していったのかという側面から、再考することである。 研究の過程では、南北両朝を統一した隋朝において、文化政策の取りまとめ役を担った牛弘に特に着目した。彼は北朝の出身ながら、南朝の礼文化を積極的に取り入れて隋朝に独自な礼学体系を構築した一方、しばしば南朝の礼学に対する批判意識を垣間見せた。本研究では、この牛弘など隋代士人を介して、隋朝における南北両朝の文化の融合と相克の諸相が、多面的に明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来の研究では、中国南北朝時代における文化的な交渉は、専ら北朝の側が一方向的に南朝(漢族)の文化を受容し、それに同化していった過程とされてきた。それに対し本研究では、南北両朝を統一した隋朝に着目し、その文化政策の取りまとめ役の任を担った牛弘らを考察対象とすることで、隋朝の文化の実態を多面的に描出し、翻って北朝が南朝の文化を如何に吸収したのかを浮き彫りにすることに成功した。これは、これまで看過されてきた北朝とそれを継承した隋朝の文化に独自の意味を見出したものとして、学術的な意義を有する。加えて、異文化の多彩な交流の側面を描出しており、社会的意義も十分に持ち合わせていると言える。
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